徳島県内で自治体独自の商品券の発行が相次いでいる。7月末時点で徳島、板野、上板の3市町を除く21市町村が発行済みか発行予定となっている。費用は合わせて約6億円に上り、各市町村は地域経済への波及効果に期待を寄せる。
 
 商品券はプレミアム(割り増し)付きの「消費喚起型」と、子育て世帯や高齢者などに限定して支給したり販売したりする「生活支援型」の2タイプある。17市町村が「消費喚起型」、11市町村が「生活支援型」を発行し、7市町村が両タイプを出す。
 
 消費喚起型は、額面1万2千円の商品券を1万円で販売するなど、2割の割り増しを付けるのが13市町村と最も多い。割増率が高いのは美馬市と神山町で、額面1万3千円の商品券を1万円で販売する。7月1日に上勝町が発売し、他の自治体も8月から次々と販売を始める。
 
 生活支援型は、鳴門市など9市町村が商品券を無料で配る。このうち4市町が支給を始めており、美波町は高校生以下の子ども1人当たり1万円分を交付している。
 
 このほか、藍住町は小学生以下か75歳以上の高齢者がいる世帯を対象に、1万円分の商品券を5千円で販売(1世帯2セットまで)。海陽町は高校3年までの子どもがいる保護者に、割増率2割の商品券(額面1万2千円)を売り出した。
 
 県と市町村が共同で4月に売り出した「阿波とくしま商品券」では発売日に購入希望者が殺到し混乱が起きたことから、商品券の販売に当たっては事前応募式(応募多数の場合は抽選)にする自治体が多い。
 
 多くの市町村が商品券の利用を自治体のエリアに限っており、売れ行きに差が出ている。藍住町では即日完売したが、上勝町と海陽町は約半分が売れ残っている。
 
 商品券の財源は、国の地域消費喚起・生活支援型の交付金。県内24市町村に計約12億円が割り当てられ、阿波とくしま商品券の費用にも使われた。
 
 徳島、板野、上板の3市町は交付金を地場産品のインターネット販売への助成(徳島市)や多子世帯への幼稚園・保育所の保育料減免(板野町)などに活用している。