母に紹介してもらった新聞記事から、子どもの貧困問題について考えた粟飯原さん=石井町の浦庄小学校

徳島新聞 2021年12月25日付「子どもの貧困 教育に影響」から

 新聞記事から感じたことや考えたことをつづる「第13回徳島県新聞感想文コンクール」(徳島新聞社主催)には、県内から1万6330点の応募があり、最優秀賞4点、優秀賞20点、優良賞40点、佳作106点、優秀学校賞6校が選ばれた。小学生1~3年、小学生4~6年、中学生、高校生の各部門で最優秀賞に選ばれた4人に、記事から得た気付きを語ってもらった。

子どもの貧困 幼少期重ね

 母に紹介してもらった新聞記事を読み、母子家庭で育った自身の幼少期を重ね合わせた。政府が昨年、子どもの貧困に関する初の実態調査結果を公表したという記事だ。現在の生活について、貧困世帯やひとり親世帯の半数以上が「苦しい」「大変苦しい」と回答していた。

 1歳の頃に両親が離婚。しばらく母と5歳上の姉との3人で暮らした。外出時には水筒やおにぎりを持参し、自動販売機やコンビニでジュースやお菓子を買ったことがなかった。仕事からの帰宅が遅い母に代わって、祖母が面倒を見てくれる日もあった。保育所の迎えが遅く、寂しい思いをした。

 幼稚園に入る前に母が再婚すると生活は好転した。今となっては節約のために仕方がなかったと気付き、「母が大切に育ててくれた」と感謝する。感想文では親から子への「貧困の連鎖」が起きるのを懸念し、「子どもに未来をあきらめさせない社会をつくっていける大人になりたい」とつづった。

 普段は、新聞を読む母のそばで一緒に記事に目を通したり、テレビでニュースを見たりしている。疑問に感じると母に質問し、インターネットでも調べてみる。「新聞は世の中で起こっていることが分かって便利。これからも読んでいきたい」と話した。

子どもの未来を守る 社会をめざして

 子どもの貧困に関する初の実態調査結果が公表され、貧困世帯やひとり親世帯では半数以上が「苦しい」という回答でした。食料が買えなくてひもじい思いをしたり、勉強したくても親の収入状況から進学をあきらめたりする子どもが数多くいるということです。親から子への「貧困の連鎖」のリスクが裏付けられたというこの記事を読み、私はかつての私自身の家庭環境を思い出しました。

 幼い頃、私は母子家庭で育ちました。母と姉と私の三人家族でした。母は毎日遅くまで働いていて、保育所のお迎えはいつも私たちが最後でした。三食きちんと食べていましたが、ふり返ってみるとご飯の内容は貧しかったように思います。どこに行くにもおにぎりと水筒持参で、自販機でジュースを買ったりコンビニでお菓子を買ったりすることはありませんでした。旅行にも連れて行ってもらえませんでした。頼れる人も少なかったのか、熱を出した姉を背負って職場に行ったという話を母から聞かされたことがあります。

 その後、母が再婚して私には父ができました。おいしいものがたくさん食べられるし、欲しい物は何でも買ってもらえるし、私は今何不自由のない生活を送っています。だからこそ、この記事を読んだ時、ひとり親世帯の貧困が他人事には思えませんでした。

 「貧困の連鎖」には多くの問題が関わっています。けれど、そうした問題を子どもに背負わせるのはおかしいと私は思います。全ての子どもがひもじい思いをすることなく、学びたい勉強ができて、自分の才能や力を生かした仕事につくことができる社会、そういう社会を作っていく責任が大人にはあるのではないかと私は思います。今の自分に何ができるのかは分かりませんが、子どもに未来をあきらめさせない社会を作っていける大人になりたいと思いました。