小松島市立江町の住民が、地域の家庭で使われなくなったこいのぼりを利用して、9月に行われる立江小学校の運動会で児童たちが着る法被作りに取り組んでいる。こいのぼりを法被に作り替える作業を通して住民が交流を深めるとともに、そろいの法被で運動会を盛り上げる。
法被は、全児童が参加する恒例のよさこいソーラン節で使う。例年は、そろいのTシャツを着て踊っているが、学校側が「運動会を盛り上げるため、衣装に工夫はできないか」と、同町の住民でつくる「立江協議会」に相談。協議会は、家庭で眠っているこいのぼりの生地で、そろいの法被を作ることを提案し、同小の保護者、教員からなる「しらさぎ育成会」に協力を呼び掛けた。
7月中旬までに全長3~5メートルの青や赤のこいのぼり160匹が集まり、立江公民館で法被作りを始めた。協議会、しらさぎ育成会のメンバーに児童も加わって約60人が、こいのぼりから不要な金具やひれなどを外し、胴体部分を法被の型に切り取った。
8月末までに縫い合わせて、全児童98人分を上回る120着を作り、毎年、運動会で活用してもらう。
協議会の江崎裕昭会長(79)=立江町前田=は「学校、地域、保護者が協力して子どもたちの思い出に残る運動会になれば」。しらさぎ育成会の田村栄之会長(41)=立江町豊田=は「法被作りは地域で世代を超えた交流の場にもなっている」と話している。