老朽化し倒壊の恐れがあるとして撤去が予定されているブロック塀=牟岐町中村

 徳島県内の17高校に設けられているブロック塀が、倒壊を防ぐための「控え壁」の不足などにより早急な安全対策が必要なことが28日、県教委のまとめで分かった。

 県教委は県立高校や特別支援学校45校のうちブロック塀があった30校について、十分な強度があるか、建築基準法施行令に適合しているかを調べた。この結果、21校の塀が控え壁が不足するなど違法建築で、25校で何らかの対策が必要だとした。

 中でも城北、鳴門渦潮、脇町、池田、那賀、板野、つるぎの7校の塀は危険性が高いとした。塀が道路沿いにある徳島商業、吉野川、海部など10校と併せ、早急に塀の解体やフェンス設置を行うとしている。

 美波町・美馬市保有施設の塀、控え壁不足 倒壊恐れ

 美波町奥河内の日和佐こども園や、美馬市脇町の小星農産加工所、拝原教育集会所など市有施設8カ所でブロック塀の控え壁が不足するなど、倒壊の恐れがあることが28日、両市町の調べで分かった。同園と同加工所には控え壁が全く設けられていなかった。

 同園の塀は園庭北側にあり、高さ1・4メートル、長さ20メートル。塀が建てられた1989年当時は高さ1メートルだったが、40センチ分が後に積み増しされていた。積み増しの時期は不明。町は7月3日に塀の上部40センチ分を撤去する。

 牟岐町も、同町中村の旧牟岐小学校跡にあるブロック塀を撤去する。建築基準法には違反していないが、老朽化が進み、地震発生時に倒壊する恐れがあると判断した。跡地にある旧北校舎では町の放課後児童預かり事業「おひさまスクール」が開かれており、1日当たり約30人の児童が利用している。