宮城県名取市の笹かまぼこ製造「ささ圭」専務で徳島県阿南市出身の佐々木靖子さん(69)=旧姓・南谷=は、東日本大震災の津波で自宅や工場を失った。それでも「前に進むしかない」と、夫で社長の圭亮さん(70)と共に再建を果たした。絶望感に打ちひしがれたあの日、2011年3月11日から11年。靖子さんは「諦めない気持ちが大切」と振り返り、南海トラフ巨大地震の発生が迫る古里に避難の重要性を訴える。

 ささ圭は1966年に個人商店として創業。靖子さんは立命館大在学時に1学年先輩だった圭亮さんと知り合い、卒業後の77年に嫁いだ…