島を訪れる人と住民との交流拠点として整備される空き家=牟岐町沖の出羽島

 牟岐町は、離島・出羽島の空き家を改築し、観光客らが住民と触れ合い、島の暮らしを体験することができる交流拠点施設を設ける。交流人口の拡大や移住者の増加につなげるのが狙いで、所有者から建物と土地の寄贈を受けて活用法を検討していた。近く工事に着手し、2016年春の開所を目指す。
 
 空き家は、出羽島漁港の近くにあり、木造2階建て延べ約60平方メートル。昭和初期に建築されたとみられる。1階はフロア半分を「通り土間」に改築。和室1部屋のほか台所などを備える。2階は和室2部屋を残し、それ以外は吹き抜けにする。玄関脇には県南独特の折りたたみ式縁側「ミセ造り」を再生する。改築費用は約1300万円の見通し。
 
 住民、町活性化を支援する大学生のNPO法人「ひとつむぎ」メンバーらの協力を得て運営する考えで、オープンに向けて草刈りなどの地域の「出役」や干物作りといった体験プログラムの実施を検討していく。
 
 出羽島は、カツオ漁が栄えた1930年代は800人以上が暮らしていたが、2015年8月1日時点で96人に減少。高齢化率は79・38%に達している。
 
 町は、空き家の所有者から「島の活性化に役立ててほしい」と14年に寄贈を受け、ひとつむぎのメンバーや、徳島市出身の建築家坂東幸輔さん(36)=東京都武蔵野市=に活用策の検討を依頼。ひとつむぎなどは15年1月から計3回、島内でワークショップを開き、住民と共に計画を練った。
 
 ひとつむぎの岡田まどかさん(21)=大阪大3年=は「出羽島ならではの雰囲気を大切にしながら、島外の人と住民がつながる場になるように考えた。住民同士の憩いの場としても使ってもらえればうれしい」と話している。