「日本三大ういろう」をご存じだろうか。米粉と砂糖を主原料にした「名古屋ういろう」、ワラビ粉を使った「山口ういろう」、そして小豆がベースの「阿波ういろ」がこれに当たる。

 阿波ういろはもっちりとした食感が特徴。江戸時代に徳島にサトウキビの栽培が伝わり、阿波和三盆糖が作られるようになったことを祝って食べられるようになったのが始まりという。県内では桃の節句に阿波ういろを食べる風習がある。

 

 鳴門市撫養町南浜の「菓舗ふくおか」では、昔ながらの製法で阿波ういろを作っている。

 こしあんの原料でもある生あんに砂糖蜜や米粉、もち粉、塩を加えて混ぜ合わせ、型に流し込んでせいろで蒸す。蒸し時間は1時間ほど。もちもちに蒸し上がったういろを1本分の重さに取り分けて棒状に成形し、セロハンで巻けば完成だ。

 約28年にわたり阿波ういろを作り続けている店主の福岡賢治さん(56)は「小豆の風味を引き出して適度な甘さに仕上げるため、配合や生あんの新鮮さには気を使っている」と話す。体に優しいものを食べてほしいとの思いから、無添加にもこだわっているという。

 福岡さんは阿波ういろをPRしようと、都市部で販売したり、県内の大学の授業で作り方を教えたりといった取り組みも行ってきた。「阿波ういろは昔から徳島で親しまれており、他県にはないお菓子。地元の人にもっと知ってもらいたいし、県外の人にも食べてほしい。今後も普及活動に力を入れていく」と意気込んだ。