第5管区海上保安本部(神戸市)は、南海トラフ巨大地震発生時に、徳島県沖の海上で想定される津波の速さや高さを示した「シミュレーションマップ」を作った。津波発生時に船舶が安全に避難するための目安にしてもらう。
マップは徳島、小松島両市沖の「徳島小松島港」と阿南市沖の「橘・富岡港」、鳴門海峡付近の「福良港」、淡路島と和歌山市付近の「洲本港・友ケ島」「深日・加太港」の5カ所の海域で津波の襲来を想定。各海域で水位が10センチ上昇するまでの時間を線で示し、津波の最高水位や最大流速、船舶の操船が難しくなる流速2ノットに達する時間を、色と線で表した。
徳島小松島港沖では約40分で水位が10センチ上昇し、流速2ノットに達する。最高水位はおおむね4メートル前後で、高い所では6メートル。小松島市和田島町沖など、最大流速が8ノット以上になる海域もある。
中央防災会議が2012年に発表した南海トラフ巨大地震の被害推計モデルを基に、海上保安庁が津波をシミュレーションし、5管本部が各海域での津波の様子を地図にした。マップは5管本部のホームページで公開している。