開幕宣言に合わせテープカットする関係者=市役所前演舞場

 2015年の徳島市の阿波踊り(市観光協会、徳島新聞社主催)が12日、幕を開けた。見る者の心をたちどころに浮き立たせ、非日常へと解き放つ踊りの祭典。天水たちもその喜びに浸り、力の限り乱舞する。戦争で焼け野原となった徳島の街で、踊りが復活してから70回目の夏。街全体がさんざめく4日間が始まった。
 
 夏の夜をそよぐ風が演舞場近くの木々を揺すった。やや和らいだ暑さの中、市内各地で甲高い鉦(かね)の音がうたげの始まりを告げた。
 
 天に伸びた女踊りの両腕はたおやかに揺れ、男踊りは力強く大地を踏みしめる。ぞめきのリズムは夜空で渦を巻き、いつ果てるともなく続いていく。時折ぱらつく小雨は、汗だくの踊り子たちに潤いを与えた。
 
 戦後、復興の歩みとともに発展してきた阿波踊りは、いつも阿波っ子たちのそばにあった。街の再興に立ち上がったとき、社会に活力が満ちてきたとき、そして悲しい出来事に沈んでいたときも。
 
 徳島の過ぎゆく時間や変わりゆく時代を、市民と共有してきた阿波踊り。平和な世の中だからこそ、踊りの喜びも味わえる。
 
 阿波おどり実行委員会によると、初日の人出は34万人で、250連が繰り出した。

 ◎開幕宣言しテープカット

 徳島市の阿波踊りの開幕式が12日午後5時半から、市役所前演舞場で行われた。
 
 徳島佐苗会青の会と子ども教室の約50人が、三味線でぞめきを響かせて始まった。市観光協会の近藤宏章会長や原秀樹市長があいさつした後、阿波おどり実行委員会の植田和俊委員長が開幕を宣言し、テープカットした。
 
 先頭を切って、原市長らが天水連、仙台すずめ踊りと演舞場に踊り込み、開幕を祝った。