徳島ヴォルティスのリカルド・ロドリゲス監督の大分戦を終えての記者会見でのコメント

―試合の総括を

 今回の試合は、皆さんが見て分かった通り、かなり大きなスタイルの変更があったというふうに見えたと思います。大分の戦い方の特徴としては、相手を(自分たちの方に)来させる。大分の目線からは、我々(ヴォルティス)がプレスに来るだろうと思っている。そうなると、中のスペースが空いてくるので、うまく引きつけて、空いたスペースをうまく使って、そこにまた相手が食いついたら、その背後を取ると、スペースの使い方が非常にうまいチームなので、我々はそうならないように、彼らがやりたいことをやらせないようにしていこうと進んできた。

 PKからの1点目を取ったが、1点目が大きく試合を動かしたのかなと思う。2-0になって、ただそれまでにいくつか危ない場面もあったが、その後もポゼッションで長い時間ボールを持って、ボールを動かしながら、相手の嫌がることをやりながら、ある程度基準を持ちながら攻撃ができたかなと。そのあと追加点が取れて、ここ最近連敗をしていたので、その流れを断ち切るために非常に大きな勝利だったかなと、ポジティブに考えています。

ー大分戦を見て守備戦術ははまるだろうと想定されていたと思うが、その中で勝ちきるためのポイントとして考えていたことは

 このやり方で守備はしっかり守れるだろうと思っていた。岩尾(憲)のポジションを変えて、カウンターのときに飛び出していける選手をもう1人増やそうと。サプライズというか、相手はこういうやり方を待ってなかったかもしれないと思うので、そうした中で早く先制点を取れたのが大きかった。その後もしっかりボールをつないで動かして、2点をさらに追加で取れたことがよかった。今回は悪い流れがずっと続いていたので、それを断ち切ることと、勝ち点3を取ることが重要だった。重要な勝ち点3だった。

ー相手選手の退場で1人多い状況になってからも、引いて守るスタイルを変えなかった。前からボールを奪って2点目を取りに行くというよりも戦い方を優先したか

 正直なところ少し迷ったところもある。前からプレッシングに行ってボールを奪う方法も今週準備してきたので、そういったやり方も一つあった。それを考えている8~10分の間に島屋選手が追加点を決めてくれたので、それで守るほうに舵を切った。大分の攻撃はキーパーから相手を引きつけて、プレスに来たその(相手の)スペースをうまくついていく、ボールを持ちながらまるでカウンターのような攻撃をしてくるチームなので、そこをやられないように我々はしていかなければならないと話した。うまく相手にさせなかった。

 確かに、ヴォルティス側から見て左サイドのところで、何回か危ないクロスもあったが変わることもあったが、そこもしっかり守りきることができた。

ー岩尾選手の具体的なミッションは。かなり高い位置だったようだが。

 2つある。まず、シシーニョ選手は、岩尾選手がけがでいない時期に代わりに入ってうまくボールを動かしていた。試合にスピードを与えてくれていて、いいなとそのときから思っていた。岩尾選手に関しては、後ろから前に飛び出していくのが優れている点だと思うのでそこを生かした方がいいのではと考えた。最近の試合を分析していて思いついた。今日ポジションを変えてうまくいったと思う。

ー前半戦終えての評価を

 正直言って、ここまでの結果は満足していない。データの面で見ると、ポゼッションやシュートの本数といったところから見ると、いいチームに見えるが、実際のところ、そのスタイルを貫く上でなかなか勝ちきれなかったり、相手が引き込んでしまってそこをこじ開けられなかったりということがあったので、そこがいままでの21試合の結果に表れているのかなと。ただ連勝している時期もあって、そのときも今日みたいにスタイルを変えて、勝ち点3を取っている。もちろん今日も簡単な試合ではなかったですが、しっかり勝ち点3を取ることが過去にも何回かできている。これからもこういったことが1回に終わるんじゃなくて続く可能性はあると思う。