桑江さんの自宅で見つかった千人針=鳴門市撫養町黒崎

 戦時中に兵士の武運を祈って作られたお守り「千人針」が、鳴門市撫養町黒崎の主婦桑江恵美子さん(85)宅で見つかり、13日、県立博物館に寄贈された。

 縦約15センチ、横約1メートルの白布に赤い糸で千の結び目が作られ、五銭硬貨と十銭硬貨が1枚ずつ縫い付けられている。太平洋戦争中に夫の故・梅一さんに託されたもので、中央に梅一さんの名前や近くの氏神、「祈武運長久」の文字が書かれている。

 梅一さんは召集を受けたが、訓練中に終戦を迎えて出征を免れている。今年3月、恵美子さんが2年前に亡くなった義母シケヨさんの遺品を整理していたところ、タンスの中から風呂敷に包まれた状態で見つかった。

 恵美子さんは「戦後70年の節目の年に見つかったことに、奇縁を感じる。私も女学生時代によく千人針をしたことを思い出した」と振り返った。

 千人針は、日中戦争から太平洋戦争にかけて全国で盛んに行われた。千人の女性が一針ずつ縫い、兵士が腹に巻くなどしてお守りにした。五銭硬貨には「死線(4銭)」を、十銭硬貨には「苦戦(9銭)」を越えるとの意味がある。