打ち鳴らされる鉦や太鼓の音に、踊り天国の鼓動も高鳴る。2015年の徳島市の阿波踊り(市観光協会、徳島新聞社主催)は2日目の13日、浮き立つ街に28万人(阿波おどり実行委員会調べ)が繰り出した。演舞場にも街角にも熱気が広がり、踊り子たちの情熱がほとばしる。徳島の街がぞめきで揺れた。
踊り絵巻が幕を開ける午後6時、東の空に虹が懸かった。七色の懸け橋が天水たちを勇気づけ、ぱらつく雨を吹き飛ばすかのように乱舞が始まる。
今年は徳島と淡路を結ぶ大鳴門橋の開通から30年。架橋によって絆を強めた淡路の踊り子や鳴り物陣は、飽くなき向上心で高めた技を踊りの本場で披露する。
親から子へ、子から孫へと受け継がれてきた阿波踊り。出産、育児を経て踊りを再開した母親たちも、その喜びを子どもたちに伝えるようにエネルギッシュに舞う。
街の中に連なる赤や黄のちょうちんが光の海となり、夜が更けるほどに興に乗る踊り子たち。街中に広がる踊りの渦は、圧巻の大パノラマとなって見物客をのみ込んだ。