タクシーのクラウド型配車システムを提供する電脳交通は、毎年200~300%のペースでシステム導入実績(配車台数)を増やしている。徳島の小さなタクシー会社で生まれたアイデアが、今や全国のタクシー会社の経営を支えるインフラとなりつつある。斜陽産業とされるタクシー業界のDXに挑戦する成長の軌跡と今後の展望を探る。
「ありがとうございます。○○タクシーです」。3月上旬の昼下がり、パソコン(PC)がずらっと並ぶオフィスで、オペレーターの女性が配車依頼の電話を受けていた。女性が香川県のタクシーを手配すると、直後に再び電話が鳴る。今度は違うタクシー会社を名乗り、静岡県のドライバーに割り振った…
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