地をはうように進む女法被踊り。圧巻の舞いでフィナーレを飾った=紺屋町演舞場

地をはうように進む女法被踊り。圧巻の舞いでフィナーレを飾った=紺屋町演舞場

 戦後復活してから70回目の節目となる特別な4日間を誰もが胸に刻んだ。2015年の徳島市の阿波踊り(市観光協会、徳島新聞社主催)は15日、フィナーレを迎えた。名残を惜しむ天水たちは踊れる喜びを全身で表現し、見物客も入り乱れて熱狂は夜遅くまで続いた。
 
 開幕からの疲れも見せず、踊り子たちは「さあ、踊り天国もこよい限り」。結成から節目を迎えた有名連の腕利きが、受け継いできた技の粋を披露すれば、大学連や企業連の初心者も、強烈なぞめきのリズムに身を委ねて躍動する。どの顔も笑みと充実感であふれた。
 
 演舞場にも街角にも押し寄せる踊り子の波。渾身(こんしん)の踊りが、見る者の心を震わす。
 見ているだけは飽き足らないと、観光客もにわか天水に早変わり。自由気ままに手足を動かし、踊りの心地よさに酔いしれた。
 
 世代も国境も超え、人々に生きる活力を与えた踊りの祭典。最終日も32万人(阿波おどり実行委員会調べ)が繰り出した。戦後70回目の阿波踊りは、興奮と感動とともに新たな一ページを歴史に記した。