優れた映画・テレビ番組の作品、プロデューサー、新人俳優を顕彰する「エランドール賞」(日本映画テレビプロデューサー協会主催)。2022年の同賞で、阿南市出身のテレビプロデューサー福岡利武さん(47)=大阪府在住=が、プロデューサー賞(テレビドラマ部門)を受賞した。授賞式は、新型コロナウイルスの影響により2年連続で中止となった。
受賞対象の作品はNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(21年)で、福岡さんは、同じく受賞者の菓子浩さんとともにチーフプロデューサーを担当。2月上旬に書面で発表があり、受賞理由として「『青天を衝け』は、幕末から明治・大正・昭和にわたって近代日本の礎を築いた渋沢栄一の波瀾(はらん)万丈の生涯を見事に描き上げ、視聴者に未来への希望を示しました」と、その制作力が高く評価された。
福岡さんは受賞について「歴史と伝統ある大きな賞をいただき、大変光栄かつ身の引き締まる思いです。はっきり言って身の丈に合わない賞に押しつぶされてしまいそうです。大河ドラマ『青天を衝け』チーム全体で受賞できたと思っております」と述べた。
福岡さんは現在、NHK大阪放送局勤務。これまで大河ドラマ「龍馬伝」(10年)、連続テレビ小説「カーネーション」(11年)、「ひよっこ」(17年)などを演出した。プロデューサーとしては連続テレビ小説「あさが来た」(15年)や「なつぞら」(19年)を手掛けてきた。
福岡さんは「これからも心に残る面白い作品づくりに携わることができれば幸いです。徳島を舞台にしたドラマ、映画をぜひともつくりたいです。徳島は大切な古里ですし、すてきなところですから」と今後の抱負を語った。
エランドール賞(フランス語で「黄金の飛翔」)は1956年創設。協会員が選考基準に基づき、当該年度中(12月1日~翌年11月30日)における候補者と参考作品を投票でノミネートする。その後、エランドール賞委員会が協会員の投票結果を参考にして候補者を選出。それを踏まえて理事会が検討し、受賞者を決定する。プロデューサー賞テレビドラマ部門のほか、同賞映画部門、プロデューサー奨励賞2部門、新人賞、特別賞がある。第1回はデビュー間もない石原裕次郎さんと高倉健さん(ともに故人)らが新人賞を受賞した。