JR四国管内の各駅や列車内で2014年度に見つかった忘れ物は前年度比6・8%増の3万2585件で、1987年のJR発足以来最多となった。2年連続で3万件を超え、最多だった13年度を更新した。JR四国広報室は「雨が多かったため雨傘の置き忘れが増えたことなどが要因」と分析している。

 品目別にみると、最も多いのが傘で7664点(前年度比6・8%増)。忘れ物全体の23・5%を占め、28年連続のトップだった。次いで手袋やマフラーなどの装身具5745点(4・5%増)、書籍・文房具3298点(1・6%減)。近年増えている携帯電話は2221点(2・3%増)だった。増加幅が大きかったのが、財布1960点(10・3%増)。

 現金は総額2297万5136円で、前年度から161万3057円(7・6%)増えた。最高額は2月12日に見つかった36万5千円。高松発引田行きの普通列車に置き忘れたリュックサックの中の財布に入っていた。忘れ物の中から持ち主が分かったため、13日に連絡を取り本人に返した。

 珍しい忘れ物としては四国遍路で使う金剛づえや袈裟のほか、掃除機やパスポート、凧、スイカなどがあった。

 落とし主に戻ったのは9458件で全体の29・0%(0・5ポイント増)にとどまる。現金は81・2%(2・7ポイント増)の1866万4179円が本人に返還された。

 忘れ物が見つかった場所は70・2%が列車内。取り扱い駅は高松駅が1万1158件(4・7%増)と最も多く、次いで松山駅7555件(0・4%増)、徳島駅4935件(7・2%増)の順だった。

 JR四国広報室の土居圭一室長は「列車を降りる際には身の回りを確認し、余裕を持って身支度してほしい」と呼び掛けている。