国の天然記念物のコウノトリが巣を作って定着している鳴門市大麻町で、レンコン農家6戸が、農薬と化学肥料を減らした農業に取り組む「エコファーマー」の認定を目指し準備を進めている。レンコン畑がコウノトリの餌場となっていることを追い風に、自然に優しい農業を推進し、地元産レンコンのイメージアップを図る。
2014年度末時点で、エコファーマーの認定を受けている県内農家は970戸。手間が掛かる割に収入が伸びないとして、07年度以降、認定農家は減少しているが、大麻町の6戸はコウノトリ効果を期待し、作付けが始まる来年2月までの認定を目指している。
認定されるには、堆肥を混ぜた土作りをするほか、農薬の散布回数と化学肥料の総量を2割ずつ減らさなければならない。
6戸が所属するNPO法人れんこん研究会は6月中旬から、鳴門藍住農業支援センターの担当者を招いて勉強会を開催。既にエコファーマーの認定を受けている3戸と共に減農薬によるレンコンの生産方法を学んでいる。
また、コウノトリの人工繁殖と野生復帰に取り組む先進地の兵庫県豊岡市に着目。減農薬や無農薬で栽培し、認定ブランドとして売り出している「コウノトリ米」を参考に、エコファーマーが育てるレンコンのブランド化を検討している。
れんこん研究会理事長の竹村昇さん(63)=鳴門市大麻町三俣=は「コウノトリが定着し、餌を食べている姿を見ると、環境に優しい農業であることがアピールできる。ブランド化に向け、エコファーマーの認定が順調に進むよう努めたい」と話している。