徳島県は2日、2月に66歳で亡くなった小松島市出身の俳優大杉漣さんに徳島県表彰「特別功労賞」を授与した。県東京本部で行われた贈呈式で飯泉嘉門知事が、大杉さんの長男で写真家の隼平さんに表彰状と銀製の記念盾を手渡した。
知事は「徳島の顔として活躍された大杉さんの深い郷土愛を語り継いでいきたい」と話した。隼平さんは県内で開かれた大杉さんのライブに同行したり、全国高校サッカー選手権に出場する徳島県代表を一緒に応援したりした思い出を紹介し「生まれ育った徳島の素晴らしい賞をいただき、父もすごく喜んでいると思う」と謝意を述べた。
大杉さんは、徳島を舞台にした「バルトの楽園(がくえん)」など多数の映画、映画に出演。サッカーJ2・徳島ヴォルティスの熱心なサポーターとしても知られ、徳島の知名度向上に貢献した。特別功労賞は、県民栄誉賞に次ぐ県表彰の特別表彰で、これまでに5人と1団体が受賞している。
故大杉漣さんの県特別功労賞受賞を受け、妻で所属事務所社長の大杉弘美さんがコメントを寄せた。全文は次の通り。
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本日、徳島県より特別功労賞をいただきました。本人に代わりまして心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
この場にもし大杉がいたらどういうお礼の言葉を述べるだろう、と考えてみました。恐らく今から申し上げる二つのことはお話するのではないかと思います。
一つは「そんな大層なことは何もしていないので恐縮です。一役者として、一人のサッカーのサポーターとして楽しく過ごさせていただいたことは僕から皆さまへの感謝としているところです」。
もう一つは「高校3年生の時に実は徳島県サッカー協会から優秀選手賞をいただいたことがあり、今回は2度目のうれしい受賞です」。
実際にその時の表彰状、受賞発表の際の新聞の切り抜きは「唯一の自慢!」という手書きのサブタイトルを付け、今も大事に持っております。
徳島の多くの皆さまに子どものころから見守られ大人になって、俳優になってからも支えられ励まされ、そして亡くなってからも惜しんでいただき、「なんて幸せ者!」と思います。
多くの皆さまに、あらためて感謝申し上げます。
平成30年7月2日 大杉 弘美