美波町の日和佐うみがめ博物館カレッタの開館30年を記念したシンポジウムが23日、同町奥河内の日和佐公民館であり、住民ら30人がウミガメ保護の歴史や活動の進め方について理解を深めた。
カレッタの田中宇輝学芸員と日本ウミガメ協議会(大阪)の松沢慶将会長が講演した。
田中学芸員は、2011~13年に大浜海岸に上陸したカメ8匹に発信器を取り付けて追跡調査した結果、周辺にとどまる個体と、他の海岸へ移動する個体とに分かれたことを指摘。「海岸を美しく保つことが、再上陸する個体の数を増やすことにもつながるのではないか」と述べた。
松沢会長は、旧日和佐町が1988年に開いた海亀国際会議がきっかけで協議会が発足したことを紹介。「保護活動発祥の地である美波町の取り組みは世界に誇れる。カレッタはその象徴的な存在として保護・調査や環境教育、観光を担ってほしい」と訴えた。
講演後、影治信良町長や、保護活動を始めた日和佐中学校科学クラブで顧問を務めていた近藤康男さんら4人も加わり、意見交換した。