竹の両端をつかみながら豪快にかぶりつく。ぷりっとした食感と竹の香りが口の中で香ばしく広がる。県民にはおなじみの「竹ちくわ」だ。

 1957年創業の老舗「谷ちくわ商店」(小松島市)では、竹ちくわをはじめとする練り物を多く扱う。商店の朝は早く、午前3時半には製造作業を開始。冷凍されたスケトウダラのすり身を粉砕し、30分ほど練り続ける。この際、塩と氷を加えて温度を一定に保つのだが、そのタイミングを当日の気温や湿度、すり身の状態から見極める「職人技」が求められる。この作業がちくわの味や食感を大きく左右するのだという。

 きめ細やかになったすり身を青竹に巻き付け、ベルトコンベヤーの上を回転させながら焼き付け作業に入る。最初は表面がふっくらするまで熱を加え「針うち」で刺して凸凹をなくす。もう一度火を通すときつね色に焼き上がり、誰もが見たことのある竹ちくわの姿になる。多い日は1日1万7000本を生産している。

竹の芳醇な香りが広がる「竹ちくわ」

 代表の谷泰志さん(46)は「昔から食べている地元の方には『変わらんなぁ』と、県外から来た人には『こんなちくわがあるんだ』と言ってもらえるよう、先代から受け継いだ味を守っていきたい」と話した。

【動画】https://youtu.be/EBNOrKp_WS8

【徳島名物の製造現場に行ってみた】
半田そうめんや鳴門の塩蔵ワカメ、阿波市のとら巻き…。これらは徳島名物として定着しているが、どのように作られているのかご存じだろうか? 製造現場を取材し、こだわりの製法や職人技を動画で紹介。県民らに長年愛されてきた秘密に迫った。
>記事一覧 https://www.topics.or.jp/subcategory/徳島名物の製造現場に行ってみた