佐那河内村は、村移住交流支援センターに「移住コーディネーター」を配置した。移住者の受け入れから、移住後の生活のサポートまで対応する。さらに宮前地区では、地域ぐるみで移住者を支援する住民グループが誕生。官民が一体となり受け入れ態勢を強化している。
移住コーディネーターは、移住希望者の要望を聞いてその人に合った家を案内したり、改修費補助といった村の助成制度を紹介したりする。移住先の住民との顔つなぎや、移住後の生活相談に応じて定住を促す。村内の空き家の調査も行う。
西川高士さん(39)=同村下=が7月、村の臨時職員としてコーディネーターに就任した。西川さんは「元気な村を将来に残すためにも、移住者を迎え入れる機運を高めたい」と意気込む。
一方、宮前地区では6月、30、40代の住民8人が「宮前笑会」を発足させた。同会は、移住前に地域住民との交流会を開いたり、あいさつ回りに同行したりして地域に溶け込めるようにサポートする。空き家の家主との間に立ち、条件交渉や改修に向けた打ち合わせにも加わる。
移住者を支援する住民グループの結成は根郷地区の「ねごう再生家」に次いで2団体目。宮前笑会は現在、年内に移住予定の坂東信幸さん(31)=徳島市両国橋2、広告制作業=を支援している。
坂東さんは「市内から近くて環境がいいのが魅力。会の皆さんが温かく、地域独自の決まり事や行事についても教えてくれるので心強い」。岡本和幸会長(40)=農業=は「若い人が住んでくれてうれしい。みんなが笑顔になれるよう、活動を進めたい」と話す。
コーディネーターと住民グループのメンバーは今後、情報共有を図り、サポート体制をさらに充実させる。