徳島県吉野川市商工会女性部は、市内産のイノシシ肉を使ったソーセージを開発した。女性の視点を生かして、会員事業所の商品開発や販路開拓を支援する事業を始めるに当たり、モデル事例として手掛けた。
商品名は「ボアソーセージ」。雌のもも肉だけを使い、独自配合したスパイスで臭みを取って、豚の腸に詰めた。添加物は使っておらず、歯応えのある食感が特長。1袋2本入り(100グラム)で980円。同市山川町の有志が公募して選んだイラスト「麻植神話キャラクター」を、パッケージにデザインした。
女性部は、地元猟友会が仕留めたイノシシに着目。「ヘルシーでおいしいし、鳥獣害対策にもなる」と、7人が6月から開発を進めた。
今月22日の阿波市納涼祭に150袋を出品したところ完売した。9月27日のとくしまマルシェ(徳島市)でも販売する。アンケートも行い、商品改良などに役立てる。
市商工会は2012年に旧川島、山川、美郷の3商工会が合併して発足した。事務所が市山川地域総合センター(同市山川町翁喜台)に集約され、市商工会館(同町前川)が利用されなくなったため、女性部が有効活用策を模索。同所で会員の相談を受け付けたり、助言したりしながら、商品開発や販路開拓を支援することになった。
まずボアソーセージの商品化を軌道に乗せ、支援事業に本格的に乗り出す。女性部の蔵本淳子部長(63)=同市山川町湯立、運送会社役員=は「女性の視点やネットワークを生かし、商品開発などに結び付けたい」と話している。