徳島県内で若者の献血離れが止まらない。2017年度の10、20代の献血者は4837人で、現行の採血法となった1986年以降、初めて5000人を割った。少子高齢化の進行に加え、献血の機会が減ったことによる関心の低下が理由とみられ、県赤十字血液センターはセミナーやイベントを通じて協力を呼び掛けている。
センターによると、県内の献血者は2004年度に4万646人、うち10、20代は1万2412人と30・5%を占めていた。出血を抑える手術法が普及するなど医療技術の進歩に伴って血液の需要も年々減っているが、17年度の献血者は2万6091人まで減少。若者の占める割合は18・5%と全国平均(21%)を下回った。
理由の一つが献血する機会の減少。近年は1回400ミリリットルの採血が主流となり、16、17歳からは200ミリリットルしか採れないことから、センターは高校への巡回バス(年間延べ約40校)を07~10年度はほとんど運行しなかった。
11年度から男性は17歳でも400ミリリットルが可能となったため巡回バスを本格的に再開。献血の必要性を説明するセミナーも始めた。しかし、授業の都合などで17年度は巡回バス、セミナーとも9校での実施にとどまった。
センターは、12年度から徳島市中心部のアニメイベント「マチ★アソビ」の期間中、献血者に人気キャラクターのポスターなどを配布。17年度からは小学生の親子連れを対象に、注射の実演や血液検査など体験型の献血教室を始めた。
センターの岡本武由事業部長は「さまざま取り組みを通じて若年層に献血の意義を理解してもらい、献血者の確保につなげたい」と話している。