4月25日に発生したネパール大地震の現状や課題を報告するため、ネパール徳島友好協会のビシュヌ・ゴパル・シュレスタ会長(66)=カトマンズ市=が26日、徳島入りした。ビシュヌ会長は徳島新聞のインタビューに対し、徳島からの支援に深い感謝の意を表すとともに、感染症が流行している被災地への衛生面での援助を呼び掛けた。
ビシュヌ会長によると、ネパール中央部を襲った大地震の死者は約9千人。土砂崩れで壊滅した集落もあり、「未確認の死者も多い」と言う。今も大勢の人が屋外で避難生活を送っている。
県内では徳島ネパール友好協会が義援金を募り、これまでに520万円をネパール徳島友好協会に送金した。日本赤十字社などを通じて義援金を送った県民も少なくない。
「世界中から支援をいただいたが、特に徳島からの支援は迅速で本当に助かった。徳島の皆さんに心からお礼を申し上げたい」
ビシュヌ会長らは被災地で何が求められているかを調べ、徳島からの義援金を活用して被災者にコメや毛布を配ったほか、小学校の仮校舎の建設費用などに充てた。「子どもたちのカウンセリングも行っている。映画俳優らにも協力してもらい、被災者の心を和ませる活動も欠かせない」と話す。
喫緊の課題は、劣悪な衛生環境の改善だ。地面の下に埋まったままの遺体も多く、嘔吐下痢などの感染症がはびこっている。「専門家による衛生知識の啓発と消毒剤などの支給で、病気を予防しなければならない。今、こうした支援が必要になっている」と訴えた。