29日午後5時ごろ、那賀町海川の集落に近い竹やぶで、農作物に被害を与えるサルの駆除をしていた近くの無職畦内文美さん(73)が撃った散弾銃の弾が、隣に住む会社役員新井光代さん(82)の頭に当たった。新井さんは町内の病院に運ばれたが、脳損傷のため約1時間半後に死亡した。

 那賀署によると、発砲直後に畦内さんが自ら110番した。「竹やぶで気配がして撃ったら隣の女性だった」と話しているという。

 竹やぶの南には新井さん所有のユズ畑があり、サルが頻繁に出没することから、新井さんが畦内さんに駆除を依頼していた。畦内さんは同日午前9時ごろから作業を始め、午後5時ごろ、物音がする竹やぶに銃弾を打ち込んだところ、新井さんに当たった。発砲した銃弾は1発だったとみられる。

 現場は新井さん宅から北へ約30メートルの所にあり、ユズ畑に隣接するように竹やぶが生い茂っている。有害鳥獣駆除の許可区域で、許可期間は6月30日~9月27日だった。

 県警捜査1課と那賀署は、畦内さんに過失がなかったかどうかも含め、畦内さんや近隣住民らから当時の状況を詳しく聞いている。