店内に張られた「徳島県消防団応援の店」のステッカー=徳島市八万町川南

 地域の防災活動を担う消防団員を応援しようと、飲食代の割引など団員向けの特典がある「徳島県消防団応援の店」が100店を超えた。減少する団員の加入促進策として、県と県消防協会が2016年8月から募集を始めたが、店側も客の獲得やイメージアップにつながると捉えている。県は「店をさらに増やして利便性を高め、団員の加入につなげたい」としている。

 店が県に登録を申し込むと表示ステッカーが配布され、専用ホームページ(HP)に掲載される。県と県消防協会は全団員に利用カードを発行しており、団員が登録店で提示すれば特典が受けられる。

 県によると、登録店は3月末で100店になり、6月29日時点で102店。カフェや居酒屋、カラオケ店、ゴルフ場、整体院などがあり、大半は代金を割り引く特典を設けている。家族やグループに団員が1人でもいれば、全員が特典を受けられる店もある。

 徳島市八万町川南のすし店「藤吉郎」は昨年3月に登録し、団員を含むグループの飲食代を1割引きにしている(日替わり定食除く)。地元の市消防団八万分団以外の分団員の利用も増えている。木下卓也店長(61)は「団員から『ありがとう』と声を掛けられるし、店のPRにもなる」と話す。

 登録店は小松島市40店、徳島市30店と両市で7割を占め、勝浦や板野など8町村がゼロ。市町村で偏りがあるため、県消防保安課は「市町村の消防担当者に周知したい」としている。

 県内の消防団員数は16年4月1日時点で1万878人だったが、17年は1万801人に減った。

 HPアドレスは http://shouboudan-ouennomise.jp/