阿波人形浄瑠璃と共演する俳優の原田大二郎さん=東京都内

 俳優の原田大二郎さん(74)が21日、徳島市のあわぎんホールで人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」の現代語訳を朗読する。2005年に県内で開かれた国民文化祭で初披露して以来13年ぶりの試み。太夫や人形遣いとの掛け合いが見どころで「忠義の心や親子の情念といった戦後の日本人が失った人間の本質を表現したい」と意気込む。

 再演の機会を心待ちにしていたという原田さん。夏期阿波人形浄瑠璃大会(22日)のプレイベントとして「順礼歌の段」「十郎兵衛内の段」を通し上演することが実現した。太夫は竹本友和嘉さん。原田さんは「太夫とのエネルギーのぶつかり合いは、演劇とはまた違った高揚感が得られるので楽しみ」と話す。

 撮影中の事故で大けがをした60歳の時から、芝居とは異なる表現方法として朗読に取り組んできた。「言葉の細部ににじむ感情のやり取りなど、語りの力を再認識できる舞台に」と力を込める。

 特撮ドラマなどで活躍中のスタントマン杉口秀樹さん(牟岐町出身)が人間として演じる十郎兵衛と、城北高民芸部などが操る人形のチャンバラも見逃せない。原田さんは「これまでにない新鮮な阿波鳴になると思うので期待してほしい」と呼び掛けた。

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 夏期阿波人形浄瑠璃大会プレイベント「原田大二郎VS阿波人形浄瑠璃」は午後6時半から。入場無料だが整理券が必要。問い合わせは、あわぎんホール<電088(622)8121>。