徳島県内で3月から始まった5~11歳の新型コロナウイルスワクチンの接種について「2回目の予約日に受けられなかった場合はキャンセル待ちとなり、接種可能な枠の空きがあるのに自分から予約できないシステムは納得できない」との意見が、徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」に寄せられた。県は「まずは1回目を優先的に進めるために予約枠を空けている。キャンセル待ちはコールセンターで調整しており、空いている枠は3日前になれば開放して案内している」と説明する。

 5~11歳のワクチン接種は、県内17市町(上勝、佐那河内、那賀、牟岐、美波、松茂、上板の7町村を除く)の63医療機関で3月7日に始まった。県がウェブサイトやコールセンターで予約を受け付けている。1回目の日時を決めると、2回目は3週間後の同時刻に予約される。

 相談を寄せてくれたのは徳島市の40代女性看護師。10歳の次男に重症化リスクが高いとされる先天性心疾患があり、3月26日にかかりつけ医で1回目接種を済ませた。ところが、3週間後の2回目接種日にどうしても都合がつかなかった。かかりつけ医ではキャンセルや再予約ができないと伝えられ、県のコールセンターに連絡を入れた。

 女性によると、オペレーターは「次回の予約はできず、キャンセル待ちになる」と説明。希望日を伝えたところ、「キャンセル待ちなので希望に添えないことがある。キャンセルが出るか分からず、いつ2回目が打てるのか分からない」と伝えられたという。

 だが、女性がウェブサイトで1回目の予約状況を確認すると、かかりつけ医を含めて複数の医療機関の接種枠に空きがあった。女性は「空きがあるのに予約できないのは納得できない。既に1回目から3週間がたっており、速やかに打てなければワクチンの効果も下がってしまう」と憤る。

 県ワクチン・入院調整課によると、2回目接種時に都合がつかずキャンセルした人に対しては、コールセンターが希望する日時や地域を尋ねて個別に調整している。1週間以内に調整できることが多いものの、一時は40件ほどのキャンセル待ちが重なり、2週間ほど待つケースも生じた。

 ただ、女性は「そうした丁寧な説明はなかった」と指摘。「体調不良などさまざまな事情で指定された日時に2回目を打てない人もいるはず。希望日時に予約し直せるシステムに改めてほしい」と要望する。

 県ワクチン・入院調整課は「現在のキャンセル待ちは10件程度に減っており、引き続き速やかに調整していく。キャンセル待ちの方がスムーズに接種できるよう、より良い方法についても検討したい」としている。

 

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