阿南市吉井町の古民家に7日、IT企業の「ハノイ・アドバンスド・ラボ」(HAL、東京)がサテライトオフィス(SO)をオープンさせる。山と川に囲まれた加茂谷地区の豊かな自然と静かな環境で、システム開発などに取り組む。県によると、県内のSO開設は31社目で、阿南市では初めて。
SOの名称は「屯(たむろ) はる」。さまざまな人が会社に寄り集まってくる様子をイメージしている。企業向けのシステム開発やスマートフォン用のアプリ(応用ソフト)開発など、本社と同じ仕事を行う。
当面は本社から社員数人が短期的に訪れ、SOに宿泊しながら業務に従事。将来的にはSOに常駐する社員を地元で採用し、10人前後の事業所として運営する方針だ。
SO設置は、加茂谷地区活性化に取り組む「加茂谷元気なまちづくり会」が昨年12月、都内での就農相談会で設けたブースに、HALが訪れたのがきっかけ。HALは今年1月に現地視察してSO開設を決め、5月から同市吉井町の古民家を改装していた。
まちづくり会の山下和久会長(60)は「若い人にどんどん来てもらい、地域に新しい力を注ぎ込んでほしい」。HALは「仕事をこなしながら農業もするなど、新しいワークスタイル実現を目指したい」としている。