J2徳島ヴォルティスは7日午後7時から、鳴門ポカリスエットスタジアムでロアッソ熊本と後半戦最初の試合を戦う。前節は守備に重心を置く戦術が奏功し、首位大分を撃破した。だが、直後にFW山﨑の湘南への移籍という「逆境」にも見舞われた。巻き返しに向けて勢いを持続できるか。チームの総合力が試される一戦となる。
「まず連敗を止めること、首位に勝つことが大事だった」。ロドリゲス監督は前節の大胆な戦術変更の理由を説明する。リーグ有数の得点力を誇る大分に対し、徳島のDF陣は大﨑が神戸に移籍して柱を失っていた。「今いる選手で勝つための方法を考えた」(監督)末の決断だった。
結果、3-0で完封勝利。7試合ぶりにフル出場したDFの藤原広は「チーム全体で守るという意識を貫けた」と強調。井筒も「選手間の関係性、連係をより深めていければ」と守備の再構築に自信を示す。
雨の中、チームは今週も守備練習に注力。DF陣はラインの上げ下げや左右のスライドなど連動した動きを繰り返し確認した。
守備強化は山﨑移籍に伴う攻撃力低下の懸念の裏返しでもある。「高さや強さだけでなく、つなぎの役割も考えると替えはきかない存在」と指揮官。補強したFWウタカが起用できるのは選手登録の手続き上、最も早くて21日の大宮戦以降になる。攻撃の大黒柱がいない中、熊本戦と翌週の愛媛戦を勝つためには最少失点でしのげるかが鍵になる。
これまで控えにいた選手の奮起も期待したい。大分戦ラスト5分にリーグ戦デビューを果たした薗田は「得点だけでなく組み立てでも自分の長所を出したい」と意欲をにじませる。
「攻撃サッカー」の旗を降ろすわけではない。現有戦力で勝つために「変化」するのだ。それができるのもこれまでの試行錯誤と努力があってこそ。成果を熊本戦にぶつける。