無許可で放置されたままのボート。津波や高潮で流され、住宅などに被害を与える恐れがある=小松島市金磯町

 徳島県内の港湾や河川に係留、保管されているプレジャーボートのうち、管理者の許可を得ていない放置艇は2014年度時点で89・4%に上ることが国土交通省の調査で分かった。岐阜、群馬両県(100%)に次ぐ全国ワースト3位で、係留できる施設が不足しているのが原因。放置艇は津波や高潮で流される恐れがあることから、県は年内に削減計画を策定して対策を強化する。

 調査は14年9~10月に港湾、河川、漁港の管理者が実施し、国交省がまとめた。それによると、県内の係留ボートは前回調査(10年度)より498隻少ない3577隻。うち放置艇は3197隻で433隻減ったものの、放置率は0・3ポイント悪化した。

 県によると、放置艇が多いのは、港湾では徳島小松島港(徳島、小松島市)の367隻、撫養港(鳴門市)の251隻、橘港(阿南市)の207隻。河川では榎瀬江湖川(徳島市)144隻、新町川(同)85隻、沖洲川(同)71隻などとなっている。

 前回調査以降、県庁前のケンチョピアでは県が係留可能区域を制限するなどして放置問題を解消した。他の港湾などでは無許可で係留している所有者に指導しているが、県内の係留施設の収容能力は502隻と少なく、根本的な解決にはつながっていない。

 そこで県は、22年度までに放置艇解消を目指す削減計画を年内に策定する。近く国交省や海上保安庁と対策推進会議を開き、係留場所の整備方針や規制強化策などを検討する。特に災害時に流される恐れのある沈廃船469隻については、場所や状態などを調査し、優先順位を付けて撤去する。

 11年の東日本大震災では船が津波で流され、住宅などに被害を与えた。県内でも南海トラフ巨大地震に備え、管理が不十分な放置艇対策が急務となっている。県港湾空港経営室は「課題は多いが、国交省などと連携して計画的に放置艇の削減に取り組んでいきたい」としている。