三好市は10月から、子宮頸(けい)がんワクチン接種後に全身の痛みなど日常生活に支障を来す重い副作用が出た人に対し、独自の支援を行う。国の救済対象とならない患者に医療費を給付するほか、四国外の医療機関に通院する場合は交通費や宿泊費を支給する。独自に支援制度を設ける自治体は四国で初めて。
ワクチン接種時に三好市民で、診断書を市に提出して認定を受けた人が対象。国の救済制度では2013年4月に定期接種化されて以降に接種した人は入院、通院とも医療費が支給されるが、定期接種化前は入院しか対象とならない。このため、市は定期接種化前に接種した通院患者を支援することにした。
四国外への通院については、接種時期に関わらず交通費と宿泊費を全額支給し、患者が18歳未満の場合は付き添い者も対象にする。
市は、開会中の市議会9月定例会議に提案した15年度一般会計補正予算案に事業費573万円を計上した。
10年10月にワクチン接種の公費助成が始まったが、全国で副作用の報告が相次いだため、国は13年6月に「積極的な接種勧奨」を中止した。
県によると、県内で報告された副作用は16件。同市では10~13年度に小学6年~高校1年の697人が接種し、軽度の症例を含めて副作用の報告が数件ある。
同市在住の重度の副作用患者は11、12年に3回接種した後、全身が勝手に動く不随意運動や視野狭窄(きょうさく)などが慢性化。県内外の医療機関への通院と入院を繰り返しており、父親は「完治に向けたスタートラインにやっと立てた」と話した。
自治体の支援制度は14年6月に横浜市が設けて以来、全国で12例ある。
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