美しい眺めで知られる小松島市和田島海岸で、地元ボランティア団体「和田の華」が、特産のシラスを取り入れたユニークな清掃奉仕を続けている。2010年の活動開始から5年。環境美化意識も高まり、海の幸を楽しみに参加するリピーターも多い。
和田の華は和田島町の住民ら14人でつくるグループ。カタクチイワシなどの稚魚シラスの水揚げシーズンに合わせ、5~12月の第1土曜に参加者を募り、和田島海岸を清掃している。
和田ノ鼻灯台近くの砂浜で、漂着したごみや流木などを回収した後、参加者に出来たての釜揚げシラスとみそ汁を振る舞う。ご飯がうずもれるほどの釜揚げシラス丼にして味わってもらう。
シラスは、和田の華のメンバーが知人の漁業者から提供される旬のものを使用。ゆで上がったばかりの釜揚げシラスは産地ならではの絶品で、一般の商品ではほとんど味わえない。松茂小3年の川道悠加(はるか)さん(9)は、9月5日に親類と参加。2回目の清掃で「いつも食べているシラスと違い、柔らかくておいしい。海ももっときれいになればうれしい」と喜ぶ。
海岸での清掃に汗を流すうちに地域の美化意識は高まり、ごみを捨てる人もいなくなった。畑昭二副会長(62)=和田島町遠見=は「地域や環境への関心の高まりを実感している。活動が広がっていけば」と話す。
事前申し込み制で先着30人。ご飯、器、箸などは持参する。参加費300円(保険料含む、小学生以下無料)。問い合わせは和田の華事務局<電0885(38)2285>。