徳島県警は、高齢者のおれおれ詐欺被害を防ごうと、家庭用の固定電話に設置できる啓発カードを作った。受話器を上げると「この電話詐欺かも」というメッセージが記されたカードが起き上がり、注意を促す仕組み。本年度中に1万枚を配る。
カードは縦8センチ、横6センチのプラスチック製で、手のひらを表すイラストの上に「この電話詐欺かも」と書かれている。折り曲げて受話器を置く部分に貼っておくと、受話器を取った際に起き上がる。
県内では今年、おれおれ詐欺被害が急増。8月末までの被害は20件、9054万円で、昨年1年間の13件、3393万円を件数、被害額とも既に大幅に上回っている。現金を都市部へ持参させる「上京型詐欺」など新たな手口も目立つ。
県警生活安全企画課は、おれおれ詐欺の最初の電話の大半が固定電話にかかってくることに着目し、カードを発案した。
各署の署員らが高齢者世帯の訪問時などに配布する。11日には徳島市の両国橋交番管内で、地域の安全を守る会の会員らが独居高齢者宅約60軒を訪れ、カードを手渡した。
同課の田村和之指導官は「電話を受けた時点で詐欺に気付くことが最も大切。一件でも被害を減らしたい」と話している。