昨年11月9日に99歳で亡くなった徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんらをモデルに、直木賞作家・井上荒野(あれの)さんが男女3人の特別な関係を描いた小説「あちらにいる鬼」が映画化され、11月に全国公開される。

(左から)寺島しのぶさん、豊川悦司さん、広末涼子さん

 小説は井上さんが、父の作家・井上光晴氏と母、そして光晴氏と長年にわたり男女の仲だった寂聴さんを題材に執筆した。寂聴さんと、夫の不倫を静かに見守った光晴氏の妻、それぞれの視点を通じて、女性2人の関係と心理の変化を深く掘り下げている。

 寂聴さんは、井上さんが小説を執筆する際に協力を惜しまず当時のことを語り、2019年に出版された際には「モデルに書かれた私が読み、傑作だと、感動した名作」と絶賛のコメントも贈った。映画化についても非常に楽しみにしていたという。

 映画では、寂聴さんをモデルにした人気作家・長内みはる役で寺島しのぶさん、光晴氏をモデルにした作家・白木篤郎役で豊川悦司さんがダブル主演を務める。篤郎の妻・笙子役は広末涼子さんが演じる。

 「私の年も寂聴さんが得度式をされた年と同じになりました」という寺島さんは、出演について「何度も撮影が延期され、半ば諦めかけていたのですが、やっと(クランク)インできそうです」とコメント。

 今後の撮影に向けて「豊川さんとまたお芝居できることに胸が弾み、広末さんとも不思議な関係性が築けそうです。今から崖の下をチラチラ見ては躊躇(ちゅうちょ)して、いずれ捨て身で飛び込もうとしている自分を鼓舞している毎日です」と意気込みを語った。