海陽町の若手の住民有志が、任意団体「町ニューツーリズム推進協議会」を立ち上げた。町外の人にあまり知られていないスポットを観光客に案内する有償のガイド事業を11月にも始める。リーフレットも作製するなど町の魅力を発信する。
海陽町内には、南北朝時代に誕生し全国の武将に愛用された海部刀や、国天然記念物のオオウナギが生息する清流・母川など、知る人ぞ知る文化や名所が多く存在する。また、漁業や農業も盛んだ。
「豊かな文化や自然を生かした体験型観光で町を活性化できないか」と考えた笠原まり代表(54)=同町四方原=が4月、知人らを誘って会を設立した。
これまで観光とは縁が無かった子育て支援ボランティアや10代の若者ら約20人が月に数回会合を開き、アイデアを出し合っている。お年寄りの家を訪ねて地域の魅力を伝えてもらったり、轟の滝を巡ったりといった体験型観光の開発を想定。海部刀や母川関連の埋もれた碑などにもスポットを当てる。
12、13両日にはNPO法人・日本エコツーリズム協会(東京)のガイドを同町に招き、ガイド養成講座を開く。講座の後、体験メニューや観光コースを決定し、リーフレットの作製に取り掛かる。
笠原代表は「町には自慢できることがたくさんある。おもてなしの心で観光客一人一人の思い出に残る体験を提供し、ゆくゆくは町内での雇用創出につなげることができれば」と話している。