感謝状を受け取った(前列左から)稲山さん、清家さん、田中支配人=徳島市西消防署

 サンピアゴルフクラブ(徳島市入田町)で4月、プレー中に心肺停止で倒れた高齢者の命が、たまたま訪れていた2人の医師による蘇生で救われた。異変を知ったゴルフ場の支配人が、偶然訪れていた知り合いの2人に協力を仰いだ。徳島市西消防署は12日、蘇生に当たった外科医の清家純一さん(50)=徳島市八万町上福万、稲山治さん(54)=同市南田宮4=とサンピアゴルフクラブに感謝状を贈った。

 清家さんと稲山さんは4月5日、プレーを楽しんでいた。前半を終えてクラブハウスで休憩中、旧知の間柄の田中博支配人が駆けて来た。「意識のない人がいる。診てもらえませんか」。2人は支配人が運転するカートに乗り込んだ。

 現場のホールでは、フェアウエー上で70代の男性があおむけになっていた。顔は真っ青。自動体外式除細動器(AED)は使われていたが、心臓も呼吸も止まっていた。「だめかもしれない」と思うほどの絶望的な状況だったが、清家さんは心臓マッサージに取りかかり、稲山さんが気道確保や脈拍を確認しながらサポートした。

 胸骨圧迫を続けて5分が過ぎたころ、稲山さんが脈拍を確認すると、回復の兆候がのぞいた。再び心肺停止状態になったが、蘇生を続行。さらに5分ほどかけると状態が安定し、到着した救急隊に引き継いだ。

 男性は救急車内で意識も戻った。病院に搬送されたが、後遺症もなく2週間後に退院できた。

 西消防署で松本弘之署長から感謝状を受け取った清家さんは「プライベートでは初めての経験で緊張した。救命に至ったのはこれ以上ない喜び」と話し、稲山さんは「1人だったら諦めていた。2人いたから適切な処置ができた」と振り返った。田中支配人は「2人がいてくれてよかった」と話した。