徳島製粉(徳島市南二軒屋町3)の主力商品「金ちゃんヌードル」は1973年の発売開始以来、半世紀近くにわたって愛されるロングセラー商品だ。西日本を中心に県外でも販売されている中で、とりわけ沖縄での人気が高い。
「毎月のように家族や友人と食べていた。おいしくて大好き。四角い豚肉やシイタケ、ふわふわの玉子などのトッピングが特に好き」。沖縄市出身の上村歩さん(21)=徳島文理大3年=も子どもの頃から親しんできた一人だ。自炊している徳島での学生生活に比べ、むしろ古里でよく食べたので「懐かしい味」なのだそう。徳島発のカップ麺が、直線距離で千キロ離れた二つの土地を結んでいる。
沖縄で発売されたのも73年で、72年5月15日の本土復帰から間もない時期だ。
「沖縄の味に合うので変えたら駄目と言われていたのをいまだに守っている」。代表取締役会長の田中信義さん(91)は、営業担当として初めて沖縄入りした50年前を振り返る…
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