大勢のファンが訪れた寂聴さんのドキュメンタリー映画の試写会=徳島市シビックセンター

 昨年11月9日に99歳で亡くなった徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんに17年間密着したドキュメンタリー映画「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」の試写会が17日、徳島市の市シビックセンター・さくらホールで開かれた。ファンら約120人が訪れ、寂聴さんが歩んだ人生に思いをはせた。

 監督を務める中村裕さん(62)が2004年から亡くなる半年前まで京都・嵯峨野の寂庵に通い、食事や酒を共にしながら、寂聴さんの本音や素顔をカメラに収めた。別れた夫の墓参りで手を合わせる後ろ姿や、ベッドに腰掛けながら一人で原稿に向かう様子も捉え、その生き方を浮かび上がらせている。

 上映に先立ち、中村監督と「寂聴塾」の教え子で県立文学書道館学芸員の竹内紀子さんによるトークショーがあった。中村監督は「遺言を受け取ったと思って編集をした。先生は人を思う気持ちが尋常じゃない。その精神は皆の中に生き続けるのではないか」と語った。

 「寂聴塾」の生徒で、収録中に居合わせたこともある小林陽子さん(72)=美波町奥河内、移住コーディネーター=は「作品の中でも時折、阿波弁も混じり、普段の先生と話しているかのよう。多くの人に、徳島のことが好きだった先生を感じてほしい」と話した。

 映画は27日から全国の劇場で公開され、県内ではシネマサンシャイン北島(北島町)で上映される。