日本神話をテーマにした創作活動を続けているフランス人画家マークエステルさん(72)=千葉県成田市在住=が14日、鳴門市大麻町の大麻比古神社に油彩画を奉納した。
作品は大麻比古神社に祭られる2神を描いた「愛の阿波國の始まり-大麻比古大神と猿田彦大神」。天から降りてきた大麻比古大神(天太玉命(あめふとだまのみこと))を、猿田彦大神が道案内する神話の一場面を力強い色調で描写した。油絵の具をにじませる独特の技法で、幻想的に仕上げており、「神々が人間たちを愛情深く見守ってくれるように」との願いを込めた。
マークエステルさんは元外交官。大阪万博(1970年)で初来日した際、京都・清水寺で見た水墨画に感動し、画家に転身。日本語の勉強に古事記を読み、日本の歴史や文化を学んだ。96年の伊勢神宮を皮切りに全国の神社に作品を奉納しており、今回で147社目。県内では初めてで、作品は神社の待合室に展示される。
圓藤恭久宮司(68)は「素晴らしい作品。大切にしていきたい」。マークエステルさんは「自然の美しい徳島の皆さんに喜んでもらえたら」と話した。
奉納を記念して18~23日、徳島市のあわぎんホールで個展も開き、日本神話などを描いた120点を展示する。