旧暦8月1日の「八朔(はっさく)」の日に、桃の節句を祝う風習が残る海陽町宍喰地区で13日、季節外れのひな祭りがあった。女児がいる各家庭ではひな人形を飾り付け、子どもの健やかな成長を祈った。
7歳、5歳、3歳の女の子が3人いる森稔之さん(36)=同町日比原、団体職員=宅では、3段飾りのひな人形をはじめ、市松人形や紙粘土の手作り人形など、約50体を飾り付けた。ひなあられに似せたクッキーを焼き、家族で味わった。
森さんは「子どもの数が減ったためか、以前ほど盛んではなくなった。地域の大事な伝統行事なので、なんとか後世に残したい」と話していた。
宍喰地区では7月の八坂神社(同町久保)の祇園祭より先に祝い事をすると、祭神のたたりがあるとの言い伝えがあり、八朔まで桃の節句を遅らせている。