降り続いた雨が猛威を振るった。三好市山城町では7日、大雨で勢いを増した濁流が川岸を削り、崩れ落ちた土砂が道路を寸断した。雨は弱まったものの、地盤はかなり緩んでいるとみられ、住民は不安を募らせた。
八千坊地区では愛媛県から流れる銅山川の水かさが増し、激流となった。川沿いの国道が約30メートルにわたって崩落。道路脇の車庫や竹やぶとともに、約15メートル下の川に落ちた。
「(6日の)深夜に異様な音が聞こえた。自宅はコンクリートの基礎なので削られないと思っていたが、さすがに恐ろしい」。車庫の横に住む自動車販売修理業西岡雄二さん(61)は妻と共に避難所に身を寄せた。
山間部に流れる多数の沢からは、土砂を含んだ水が道路に流れ込んだ。愛媛県境の塩塚高原に近い平野地区では、路面が激しく損傷。約600メートルの区間でアスファルト舗装が浮いたり沈んだりし、川のようになった。
この路面損傷で2世帯が孤立化した。1人暮らしの冨永泰一さん(76)は「水の流れが速いので車を出せず、徒歩も難しい。避難所にさえ行くことができない」とため息をついた。
町内の被害の全容は分かっておらず、復旧まで時間がかかる恐れがある。経営する製材所に土砂が流れ込んだ同市山城町赤谷、今村善孝さん(64)は「建設業者が土砂を撤去してくれたので製材所前の道は何とか通れるようになったが、壊れた屋根や柱はそのまま。元の生活に戻れるか不安だ」と話した。