徳島県の新ホール整備に伴う埋蔵文化財の発掘調査で、建設地から見つかった国史跡・徳島城の外郭の遺構を史跡に追加指定するよう、考古学の専門家が求めている。保存状態が良好で希少価値が高く、城の全体像を考える上で重要な手掛かりとなるためだ。ただ、指定されると、その上にホールを建てられなくなることから、県は難色を示す。文化財保護とホール整備の両立が課題となっている。

 発掘調査は、県が2021年4月~22年1月に市文化センター跡地約1790平方メートルで実施した。見つかった遺構は、徳島城の南東の区画「三木郭」にあった蔵の基礎となる礎石や、城の出入り口の一つ「寺島口」の門台(城門)の石垣など。江戸時代の絵図が示す配置を裏付けた…