とくしま市民遺産に登録され、住民に親しまれている徳島市住吉1の「藩政時代の松並木」の1本から伸びる巨大な枝が折れ、遊歩道(幅約1・8メートル、長さ約230メートル)に倒れかかっている。8月16日に同市に降った大雨の影響で折れたとみられ、遊歩道は約1カ月間、通行止めになっている。通行再開は9月28日になる見込み。
現場は大岡川南岸で、川に沿って樹齢150~300年とされる松が30本植わり、木製の遊歩道が整備されている。
折れた枝は直径約60センチ、長さ約6メートル。松並木の西端近くの松(高さ約8メートル、幹周り約2・3メートル)の高さ2メートル付近の幹から枝分かれしている。
徳島市で1時間雨量42・5ミリの激しい雨が降った翌日の8月17日朝、住民から県東部県土整備局に通報があり、職員が確認したところ、折れた枝が遊歩道にかぶさるように倒れかかっていた。危険なため同日から通行止めにした。
県は遊歩道の通行再開に向け、9月17日から枝の切断作業にかかる。
毎夕、遊歩道をウオーキングしていた住吉・城東公民館の中島和夫館長(74)=徳島市住吉4=は「歴史ある松並木を眺めるのが楽しみだったので、早く通行できるようになってほしい」と話している。
徳島城博物館によると、「藩政時代の松並木」は徳島城の防御などを目的に石垣の上に植えられた。とくしま市民遺産には助任川沿いにある松並木とともに、2010年に登録された。