南米チリ中部沖地震による津波を受け、徳島県と沿岸部の市町では18日午前、潮位変動を監視するなど警戒に当たった。津波は当初の予想よりも約2時間遅れて午前9時ごろから到達し始めたが、正午現在で目立った被害は確認されていない。徳島地方気象台によると、午後からも最大1メートルの津波が到達する恐れがあるため、引き続き海岸などに近づかないよう注意を呼び掛けている。
20センチの津波が観測された美波町では午前3時の津波注意報発表を受け、防災無線などで海岸沿いの住民らに注意を促した。同町日和佐浦の大浜海岸北側の高台では、海部消防組合日和佐出張所の職員3人が潮位などに変化があるかどうかを確認した。
牟岐町では災害対策準備本部を設置し、集まった職員約20人が防潮扉など約30カ所を閉めて回った。牟岐漁港では漁協関係者らが早朝から海の様子を見に訪れ、津波で網が流されないように片付ける男性の姿も見られた。
阿南市では午前3時10分、堤防より海側にいる人に対して避難指示を出し、沿岸部の住民3人が近くの公民館に避難。午前9時半までに全員帰宅した。
県は注意報発表と同時に災害対策連絡本部を設置し、担当職員が沿岸部の自治体との連絡や情報収集に当たった。県消防防災ヘリと県警ヘリも沿岸部を警戒飛行した。
県道路整備課によると、県管理の道路では徳島市上助任町の吉野川橋南詰めアンダーパスなど3路線4カ所が午前5時から通行止めに。通勤ラッシュの時間帯と重なったため、付近の県道などが一時、数キロにわたって渋滞した。
オーシャン東九フェリーは17日午前11時30分徳島発東京行きの便が津波の影響で東京港に入港できず、18日正午現在、東京湾内で待機している。
県教委によると、美波町の由岐小学校が休校したほか、阿南市と美波町の4小中学校で授業の開始を遅らせた。