福島県磐梯町の酒類メーカー榮川酒造が、徳島県産のユコウを使ったリキュールを造った。福島で栽培されていないかんきつ類の果汁で付加価値を付け、他社製品と差異化を図った。徳島特産のスダチやユズを使った酒は多いが、ユコウの酒は珍しい。9月下旬からインターネットで販売する。
リキュールは、ユコウ果汁が入った「榮川 YUKOUSAKE(ユコウサケ)」。福島産の米を使った純米酒に果汁とグラニュー糖を加え、香りと酸味が引き立つよう仕上げた。アルコール度数は9%以上10%未満。
これとは別に、スダチ果汁入りの「榮川 SUDACHISAKE(スダチサケ)」も造った。製法、アルコール度数は「YUKOUSAKE」と同じ。
榮川酒造は風味が良いスダチを使った酒を造るため入手方法を徳島県東京本部に問い合わせたところ、徳島がユコウとユズの産地でもあると知り、これらも商品化することにした。ユズのリキュール酒は来年2月に発売する予定。果汁はいずれもJA全農とくしまから仕入れる。
徳島県酒造組合によると、県内では少なくともここ数年、ユコウの酒が商品化された例はないという。スダチやユズに比べ、生産量が少なく、知名度が低いためとみられる。
榮川酒造は「日本酒のマーケットが縮小する中、徳島のかんきつを使い、新しい切り口の酒を売り出そうと考えた。徳島の人にも飲んでもらいたい」と呼び掛けている。
ユコウとスダチのリキュールは720ミリリットル入り1700円(税別)。問い合わせは同社<電0242(73)2300>。