江戸後期、三好市出身の久富遠江守文連(ひさとみとおとうみかみふみつら、1761~1846年)が、京都市右京区にある真言宗御室派総本山仁和寺に四国霊場八十八カ所の写し霊場を建立したことが分かる貴重な資料が、徳島市の徳島城博物館で開催中の特別展「真言宗御室派の寺宝と四国・徳島」で公開されている。久富の功績は県内でも忘れられており、先人を見直す機会になりそうだ。

 岡本佑弥学芸員によると、久富遠江守文連は池田町白地村の矢野家の生まれ。仁和寺で幕府との連絡役などをする寺侍として代々仕える久富家に養子に入り、30歳から仁和寺の寺侍として活躍した。