市環境局が入る吉野川市役所

 2025年度から、ごみ焼却を単独処理に転換する方針を明らかにした吉野川市は、新しい焼却施設の建設候補地を、市内の自治会や土地所有者から公募する。地域の理解を得ながら事業を進めるとともに、ごみ行政への関心を高めてもらうのが狙い。

 市環境局によると、近年は候補地選定に公募制を導入する自治体が増えている。情報をオープンにして事業の透明性を高めることで、用地交渉や建設が進めやすくなる点に着目。市は、選定段階から住民との合意形成を図るため、候補地を募ることにした。

 新施設は1日約40トンのごみを焼却。最新の公害防止技術を導入するほか、周囲の景観と調和したデザインにする。環境学習の場としても活用するという。

 応募条件は▽おおむね8千平方メートル以上の土地▽ライフラインや車両の進入路が確保できる▽自治会の場合は内部で合意形成が図られている-など。回覧板や広報誌で住民に周知し、9日から10月9日まで受け付ける。

 提案のあった建設候補地は、市側が探す候補地とともに選定委員会で絞り込み、市の検討会議で本年度中に最終候補地を決める予定。25年8月からの稼働を目指す。

 市環境局は「ごみ処理施設は『迷惑施設』ではなく、循環型社会の形成に必要な施設という認識を高めていきたい」としている。問い合わせは同局<電0883(22)2230>。

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 吉野川市は現在、阿波、上板、板野の3市町と一部事務組合「中央広域環境施設組合」を組織し、広域でごみ焼却処理をしている。しかし処理負担金の高さや、組合が運営する焼却施設(阿波市吉野町西条)の稼働期間が25年7月となっていることから、単独処理に転換する方針を市議会6月定例会で示した。