デザインや人工知能(AI)などの最先端技術が学べる私立高等専門学校「神山まるごと高専」(徳島県神山町)が、2023年4月の開校を目指している。理事長に就任が予定されているのは、名刺管理サービスSansan(東京)の寺田親弘社長。寺田さんは「神山町から未来のシリコンバレーを生み出す」とのビジョンを掲げ、大きな夢を抱いて学校づくりを進めている。開校されれば、高専新設は全国で約20年ぶり。なぜ今、四国の田舎町に高専を作るのか。自身の経験や高専にかける思いなどを全3回に分けて紹介する。
―まず神山まるごと高専の概要について教えてください
1学年40人、5学年で計200人の学校になります。全寮制で、学科名はデザインエンジニアリング学科。テクノロジー、デザイン、起業家精神の三つを学ぶことができます。今は専門的な知識や技術を利用して社会貢献する「プロボノ」を中心にプロジェクトを進めていて、約50人のメンバーで取り組んでいます。
コンセプトは「テクノロジー×デザインで人間の未来を変える学校」。高専自体、モノづくり人材を輩出するのに非常に意味がある教育機関ですが、現代におけるモノづくりの意味を少しアップデートしないといけないと考えています。テクノロジーとデザインを分断せずに教えることに意味があると思います。
デザイナーは女性が多く、エンジニアは男性が多いというのが今の日本の現状だと思いますが、使い手は男女半々です。…
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