県内で保護され、徳島市のとくしま動物園に持ち込まれる野生動物などが相次いでいる。園内の動物病院には、けがや病気で保護された野生動物の飼育スペースはあるものの5年ほど前から満杯状態となっており、同園は対応に苦慮している。
現在、市民や県警を通じて持ち込まれ園に保護されている動物は、キジやシラサギ、アオダイショウ、ウサギなど19種41点。園内の12のおりや、臨時に設けられた飼育かごに収容されている。
園によると、毎年持ち込まれる動物は50匹程度。そのうち野生復帰できるのは約2割で約5割はすぐに死んでしまう。
残り約3割は、けがが治らなかったり、ペットとして飼われた後に捨てられた動物が野生復帰できなかったりして、園内で一生を送っている。
特に多いのが野鳥のひなが持ち込まれるケース。しかし、巣立ちの練習をしていてうまく飛べないひなを、親鳥とはぐれたと勘違いして保護される事例が少なくない。また、ひなは園に持ち込まれれば、自分で餌を取れなくなるため、自然界に返せなくなる。
モルモットやハリネズミ、インコなど捨てられたペットと思われる動物も目立つ。野生に返せないばかりか、ハリネズミなどは自然の中で繁殖するケースもあるため、放すと生態系への影響も懸念される。
城翠獣医師は「ペットは絶対に捨てないでほしい。野生動物も人が原因で起きたけがなど以外は、かわいそうに思ってもできれば保護しないでほしい。まずは動物園に相談して」と話している。